俺の前にいる時ぐらいは イヤな事を忘れて楽しんで欲しくてさ

バイオリン

さぁーて

暇だから日記を書いてみよう でも どんな日記を書けば良いのやら?
何を伝えれば良いのやら?何が求められてるのやら?

う~ん……!

分かった アリとキリギリスだ

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アリとキリギリスが 今 注目されてるはずだ

アリとキリギリスの話を書こう

アリさんは いつもいつも忙しく働いていました

暑い日差しの中も 強い風の日も
冷たい雨…の日は お休みでしたが
それはそれは 毎日 頑張って働いていました

ある日の事
一生懸命 働いているアリさんの前にキリギリスさんがやって来ました

キリギリスさんはアリさんを見て言いました
「君は凄く頑張ってるね」

アリさんは気楽そうに立っているキリギリスさんを見て
「頑張るのは当たり前でしょ!」とイラつきながら答えました

キリギリスさんはサッと微笑みながら
「そうだよね」と言いながらバイオリンを楽しげに弾き始めます

アリさんは しばし その音色に聴き入りましたが
仕事の続きをしなければならない事を思い出し

キリギリスさんに ちょっと怒りながら
「仕事の邪魔をしないで!」と言い放ち その場を後にしました

次の日 アリさんが仕事をしていると
また あの場所にキリギリスさんがいました

キリギリスさんはアリさんを見ると笑顔でバイオリンを弾くのでした
アリさんは それを見て思います

キリギリスさんは 私が一生懸命 仕事をしているのを馬鹿にしているのね
遊ばない奴は馬鹿だって思っているのね
でも バイオリンの音色は悪くないわ

また次の日もアリさんが仕事をしているとキリギリスさんが来てバイオリンを弾きました
その次の日も そのまた次の日も

いつも楽しげにバイオリンを弾いているキリギリスさんを見て
アリさんは心配になりました

もうすぐ厳しい冬が来る
遊んでばかりのキリギリスさんは大丈夫なのかしら?

でも そんなアリさんの心配をよそに
キリギリスさんはアリさんが来るたびにバイオリンを弾きます

いつしかアリさんは この音色を聴くのを楽しみにしていました
毎日 頑張ってしている仕事も楽しい事のように感じます

そして 冬が来ました

アリさんは 夏の間に頑張って仕事をしたおかげで
暖かい家の中 家族や仲間達と過ごす事が出来ます

でも 気になるのはキリギリスさんの事です

働かずに遊んでばかりいたキリギリスさんは
どうしてるのだろう?

アリさんは そっと家のドアを開け
雪が降る外へキリギリスさんを捜しに行きました

キリギリスさんは いつもの あの場所にいました

バイオリンを胸に抱き キリギリスさんは雪降る夜空を眺めていました

アリさんはキリギリスさんに言います
「遊んでばかりいたら こうなる事は あなたにも分かっていたでしょ!!
それなのに なんで あなたはバイオリンばかり弾いていたの!」

キリギリスさんは言いました
「頑張っている君の姿を見て 好きになってしまった
でも 君には暖かい家が待っている どんなに願っても君と一緒にはなれない」

キリギリスさんはアリさんを見つめながら言いました
「だから
 俺の前にいる時ぐらいは イヤな事を忘れて楽しんで欲しくてさ
それに 俺の寿命は短い 冬は越せないさ」

アリさんは頬を赤くしながら言いました
「あぁ キリギリスさん!そんなにも私の事を!
今だけは せめて今だけは  あなたのそばにいてあげる
今だけでも 一緒になりましょう!」

キリギリスさんは答えます
「アリさん!ありがとう!君と ひとつになれるとは!
叶うはずのない願いだった こんな幸せはないよ!
あぁアリさん!アリさん!」

「キリギリスさん!あぁ!」
「アリさん!我慢できない!

あぁ! アリさん!アリさん!

あぁ! もう 逝く!!

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おわり

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