久しぶりにしたな 前編 ボウリング攻略戦
何年ぶりかも分からないくらい
久しぶりにするスポーツだ ボウリング
久しぶりとは言え所詮ボウリング 難しい事は何も無い
自分と友達三人は そう思っていた……
自分達四人は その日 暇を持て余していた
高校の時に遊んでいた懐かしいメンツが 同級生の結婚式に参加するために集まったのだ
結婚式自体はつつがなく終わった
だが 終わった時間が早すぎた
地味な結婚式 ジミ婚と言うのか
ファミリーを中心とした規模の小さな結婚式 ファミ婚と言うかは知らないが
サクッと始まりサクッと終わった
それは初めて
マリオブラザーズをして開始二秒で亀に真っ直ぐ激突した
幼少期の思い出が甦るほどあっけない結婚式だった
―今の時刻 午後 1時―
旧友が集まったのだ すぐに解散も寂しい
居酒屋で酒でも飲んで昔話でもしようとなったのだが…時間が早過ぎる
では時間を潰そう
じゃあボウリングだと一人が言った
時間を潰す=ボーリングの繋がりは
目の前でマンション基礎工事をしているのを見て思いついた安易な連想だろう
自分達四人は それほどオツムがよろしくない
話がまとまれば すぐ行動
自分達四人は陽気に笑いながらボウリング場に入り貸し靴に履き替えた
さぁ ボールを選ぶぞと言う時に旧友Aが聞いてきた
A 「なぁ赤原 お前 いくつのボール使ってた?」
自分「6って奴」
A 「小さっ!何十年前の話だよ それ!役にたたねぇな 自分で探すわ」
自分「そうしてくれ」
B 「ボール重いな!ボウリング拷問じゃん」
自分「16って 一番 大きいのを選ぶ欲張りな癖は相変わらずか!」
C 「俺 もう投げたぜ 次 早く投げろよ」
自分「馬鹿か お前!なんのために順番と名前を登録したんだよ!三番手だろ!お前!」
A 「つぅか 本当に6で投げるのか?赤原」
B 「ボケで選んだんだろ?指 入らないモンなぁ」
自分「ボウリングは両手で転がすんじゃないのか?」
AB「子供か!」
ボール選びに三十分…
これ以上 ボールを撫で回しても意味がない事に 皆 気づいたようだ
そして自分達四人は
おもむろにレーンに行き投げ始めた
記憶を頼りに周りの人の振り見て我が振り直せの如く
「フォームは確か……こんな感じか?」
「いや 違う こうだろ?」
「あのストライクを出してる奴を真似すればいいんじゃないか?」
「待て!早まるな!奴は左利きだ!」
「何!ニュータイプかぁ!」
狙うは確か あの辺か?いや 違う こうだろ? 駄目だ 真っ直ぐ貫けない 曲がってしまう!
何故だ?バリアか!空間の歪みか!
嗚呼 上手くいかない
ここのレーンには邪魔な溝がある
皆の投げるボールは ゆっくりと華麗な弧を描き溝へと吸い込まれていく
映し出されるのはGの文字ばかり
ヤバい!これはヤバい!
大の大人の男達が この惨劇
いやまだ ボウリングは始まったばかりだ
投げていれば調子も上がるはずだ
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