堂ヶ島温泉6 おっぱいいっぱい 男だらけの温泉へ

湯けむり慕情

社員旅行の醍醐味に 温泉は 欠かせない要素である

普段 家(賃貸アパート)では 湯船の中で足も伸ばせない 小さな浴槽 しかも 冬は寒い風呂に入っている
足を伸ばし浴槽につかる それが出来るだけでも 温泉は有難いのである

盗撮の前科がついたかも知れない自分は エアー君の言葉に従い ホテル内の大浴場に行く決心をした
ノロノロと服を脱ぎ 部屋に置いてある浴衣に着替える
おっぱいを見れなかった その事実が自分の心を落胆させ さらに身体からも力を奪ったのか
疲労を感じる

ネガティブな考えが頭の中を駆け巡る

あの時 エアー君が声をかけなければ 見れたんじゃないのか?と
邪魔が入りさえしなければ……

浴衣に着替えた自分は エアー君の後に続き部屋を出る
ホテルの純和風的に作られた廊下を歩く
天井の蛍光灯は淡いオレンジ色の光を発している
前を歩くエアー君の姿を眺めながら 自分は後ろ向きの考えを捨てようと努力した

確かに おっぱいは見れなかった だが もし見れたとしたら 見るだけで満足できたのか?
片手にはデジカメがある いや そもそも デジカメのズーム機能がなければ自分の視力では見れない距離だ

撮っていた かも知れない

エアー君を恨んではいけない 逆に感謝すべきなのだろう
あの時 声をかけてくれたから 盗撮をしなくて済んだ 犯罪者に堕ちなくて済んだ と

ビックリしすぎて 窓枠から落ちるところだったけどなっ! 

展望大浴場

脱衣所に入ると自分は下を向き 自分の足のつま先を見るようにして歩いた

ここからは おっぱいを見たいとは 微塵も思わない

ここには ここから先には それ以上に見たくないモノも沢山あるのだ

幸いにも自分は視力が悪いので 遠くのモノは おぼろげにしか見えない
しかし 接近されてしまえば そんなことは関係なくなる

男が自前のモノを隠すのは 小さいからとか形がとか 自らが晒すと恥ずかしいから隠す
それが理由ではない

気遣いで隠すのである
お粗末なモノを お見せするのは忍びない お目を汚してしまう
そのための隠すである

風呂の後は 食事が待っている
その時に 風呂で見てしまったモノが脳裏をかすめれば 食欲もそがれるだろう
ましてや その食事の盆に 棒状の食べ物やシラスやシラウオ 白子などがあれば
連想に連想が重なり食べる気さえ失せてしまう

隠すのは マナーなのだ

だが 大半の男どもは それをしない
自らのモノに誇りがあるのか 驕りがあるのか
男は男のモノを見たくはないのに それはお互い様であるはずなのに

食べ物から下半身を連想する
そんな愚かなことを自分はしたくないのだ

自分は 周囲を見ないように注意しながら 浴衣を脱ぎ裸になった
そして展望大浴場への扉へと向かう

扉を開けると 湯気と熱気が頬を撫でる
それだけで身体が熱くなる
その熱気は全身を包み込んでいく さらけ出された自分の下半身も十分に熱を感じていく

身体を洗う用のフェイスタオルを肩にかけ シャワーのある洗い場へと行く
そそくさと全身を洗い 待望の大浴場の湯船へ

やはり大きい風呂は気持ちがいい
手を足を伸ばし大の字で湯船につかると ふうーと喉の奥から嘆息が漏れた
大浴場の窓からは 駿河湾そして三四郎島が見える

ゆっくりとつかり バスの中で摂取したアルコールを熱で蒸発させ
気分一新 リフレッシュした状態で宴会に挑みたい

そう考えていたのだが
ものの数分 湯船につかっただけで 自分は頭がクラクラとのぼせてきた
急激に身体の温度が上がったせいか 動くのもだるい

身体を冷ました方が無難か と思い湯船から出る
ふと 木材で組まれた六角形の小さ目な浴槽が目についた
大人が二、三人 入れば狭いと感じる大きさだ
手を入れてみると お湯の温度は かなり ぬるめだった

自分は そのぬるめの浴槽に入ることにした
しばらく 湯船につかっていたのだが 思うように身体が快適にならない
それどころか 気持ち悪ささえ感じてきた

完璧に 湯あたり状態なのだろう

これ以上 お風呂にいるのは危険かもしれない
自分は部屋に戻ることにした

時計の針は 10分も進んでいたかった

次回 醍醐味といったら宴会でしょ

温泉を心地よく満喫できなかった自分は
火照る身体を浴衣に包み 愛姫が待つ宴会場へと進む

宴会料理 無礼講 酒池肉林 コンパニオン

社員旅行は 更なるステージに!!

写真引用 海辺のかくれ湯 清流

般若

紙切れ