英雄降臨 終焉への序章 4

1月6日 09:40

会社に人が集まりだした
だが 後継者B Cの姿は まだ見えない

コスプレ

自分は待っていた

ハチ公前でドキドキしながら初デートで彼氏を待つ美少女のように
出会い系で仲良くなった女性との初対面に望む おっちゃんのように

自分は緊張しながらも 期待と不安を胸に会社の玄関口で待っていた

最初に会社に入って来たのは後継者Cだった

だが 車を駐車場に停めた後継者Cは 車から降りて来ない!
なんてことだ!
奴は時間ギリギリまで車の中で暖をとるつもりらしい

愚かな奴よ 自ら栄光を捨てる行為をするとは

続いて後継者Bの車が駐車場に入って来た

後継者Bは 車を停めると同時に飛び出し 会社の上司 同僚 目に付く人たちに次々と新年の挨拶をして行く!

さすが後継者B!さすが好青年だ!

さぁ その勢いで 我が元に来い!そして大いなる遺産『エロDVD20枚』を手に入れろ!
もう少しだ もう少しで自分の所に後継者Bは来る

…後継者Bよ

事務の女子と喋ってないで早く来い
何を長々と話をしている 好きなのか?その女子が好きなのか?お前は「あけましておめでとうございます」

うお!!めっちゃビックリ!

その時の自分の驚きようは
街でスカウトに声をかけられたけど「AVかよっ!」と驚きと恐怖を感じた美少女のように

出会い系で知り合った女性が いきなり「8万ね」と言ってきて「金 取るのかよっ しかも高っ!」と驚きと落胆を感じた おっちゃんのように めっちゃビックリしたのである

自分の死角から 新年の挨拶をしてきたのは後継者Cだった

決まった

真の後継者

運命に導かれし英雄

自分は後継者Cに言った
『渡したい物があるから お参りが終わって会社に戻ったら待っててくれよ』
「…お年玉ですか?」

『そんな たいした物じゃないよ いや たいした物かも』
「…?分かりました 終わったら待ってます」

そうして自分達は お参りをするために神社へと向かう

自分の使命が終わるのも あと少しの時間だ

神社へ向かう途中 自分は神の声を聞いた気がした

【紙袋は上から覗くと 中が丸見えよ】と

自分は車に引き返しガラスごしに車内を覗いた 確かに紙袋の中にある大いなる遺産が丸見えだった

自分は正月飾りに使われていた赤い紐を外し それで紙袋の口を縛った

蝶々結びで!
『エロDVD20枚』の入っている紙袋は 美少女が彼氏に送るクリスマスプレゼントのような姿になった

終焉への序章

会社では神社に行くと お参りの他に お祓いをしてもらうのが年中行事のひとつだった

時期が時期だけに 三十畳ほどの広さの別室は限界ギリギリまで混みあっていた
その中を祭壇に面して正座で座り 神主の祝詞を頭を下げ うやうやしく聞く

だが

自分の頭の中は 運命に定められし英雄Cとの交渉方法を考える事で いっぱいだった

そして

それ以上に 前に正座で座る女子のズボンと上着の間から見えるパンチラで頭の中は最高潮だった

凝視していたパンチラのおかげか 長いお祓いの時間も あっという間に終わった

正座

いよいよ会社に戻り英雄と対峙する時だ

自分が会社の玄関口に向かうと すでに英雄Cが 足元の地面を見ながら寂しそうにポツンと立っていた

大丈夫か?なんとも覇気のない姿 あれが英雄と呼ばれる者の姿か?

自分は戸惑いを感じながら英雄Cに話かけた
『今 車から取って来るから もう少し待っててくれ』
「はい 待ってます」と英雄Cは答えた

かわいいのぉ素直な若者は と思いながら自分は車へ小走りで いやスキップで例のアレ『エロDVD20枚』を取りに行った

赤い紐で蝶々結びをされた二重の紙袋
手編みのセーターが入っていそうな可愛らしい外見とは裏腹に 中身は誰もが人間性を疑うほどのエロDVDの山

世間に知られてはいけない 危険な品物 透明ゴミ袋に入れて捨てる事は出来ない
ご近所に その袋を見られたら末代までの呪いとなるだろう

では

エロ本の捨て場に困った中学生のように山林に捨てるか?
見つかった場合 不法投棄で多額な罰金を払い新聞の1面に

『大いなる遺産エロDVD』不法投棄の男 逮捕 動機はムシャクシャしてたからと載ってしまうだろう

英雄Cよ

お前に必ず この『エロDVD20枚』を受け取って貰うぞ

英雄Cは何も知らずに待っている
是が非でも お前にくれてやる

自分は 例のアレを爆弾を扱うかのように慎重に持ち上げた

続く

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