終焉 花散るは刹那 一時の艶やか残し 5

時は来たり

赤い紐で蝶々結びをした二重の紙袋
中身は言わずと知れたドスケベ度マックス『エロDVD20枚』

自分は車から その紙袋を両手で慎重に取り上げた

そして玄関口で待つ英雄Cの元へと急いぐ

女性

早く速く今すぐに
この代々 受け継がれし秘宝 過去の遺物 大いなる遺産 英雄への道 変態の証を押しつけ…もとい渡さなければ この機会を逃せば次はない

自分は走った 気ばかりが焦って上手く走れない ならばと自分は 歩いて行くことにした

英雄Cは玄関口で待っていた

女子社員と共に!

自分はコッソリと影に隠れ様子をうかがう

何故 ここに女子がいる!
何故 男と男のメイクドラマを邪魔する!
まさか あの女子 英雄Cに告白でもするつもりか!
そしてメイクラブでメイクチャイルドかぁぁ!!!悪の手先め!

女子社員は すぐにその場を去った どうやら ただの業務連絡だったみたいだ

自分は潜んでいた影から 今きました感を満載にして英雄Cに近づき言う

『渡したい物は これだよ』 自分は紙袋を差し出した
「先輩 俺 誕生日まだですよ」 英雄Cは赤い紐で蝶々結びをされた紙袋を見て言った

『別に誕生日プレゼントではないよ お前にやるよって話』
自分は英雄Cに無理やり紙袋を持たせ『じゃ そういう事で』と話をまとめ足早に立ち去る

はずが 後ろから肩を捕まれた

「先輩 待って下さい 高価な物だと貰えません 中身 見ていいですか?」

律儀な奴め 自分は中身を見せたくない

『高価なモンじゃねえよ つまらない物だから貰っとけ』
「逆に つまらない物ならゴミになるし…」 ハッキリ言うな!

しかし ここまで来たら仕方がない あとは奴の英雄の素質に賭けるしかない

『……分かった 中を見なよ』
「それでは見ます」

自分は奴の反応が気になる
感動か幻滅か 共感か拒絶か 光か闇か 興奮かEDか

英雄Cは紙袋の紐をほどこうと手をかけた
英雄Cは赤い紐をほどくのに手間取る

ああ 馬鹿 ただの蝶々結びだぞ そこを引っ張ると からまる
何やってるんだよ

ああ そうだ!それでいい

あっ何?二重だぞ 袋!
違う そうじゃない 中 中だよ!あああ!早く中身を見ろぉぉ!

英雄Cは 中を見た

……先輩…… これ 凄くねぇ!いや超マジ ヤバくない!おぅマニアック!あっ!これもスッゲー いいんすっか!貰っても いいんすっか!」

英雄C テンションたかっ!

やはり奴は英雄になる素質を持っていた
英雄になるべき性癖 運命に選ばれた性癖 世界は お前の物 男の熱きフォースを解放しろ

『喜んでもらえて何よりだ じゃあ 帰るわ』

善は急げだ 逃げるが勝ち

だが 去り際の自分にたいして 英雄Cは言った

「先輩! 俺 DVDデッキ持っていないんですけど

自分は間髪入れずに言う

『買え!そして見ろ!』

花

英雄Cよ
自分の果たせなかった『エロDVD20枚』制覇を成し遂げてくれ!

こうして自分の長きに渡る使命は終わった
見事に英雄を探し出し 英雄に必要な物を授けた

使命の完遂

だが これで世界が変わったのだろうか?意味はあったのか?

ただ ひとつ言えるのは その日から英雄Cがタメ口になった

終焉

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